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村井 裕弥 |
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キリ・テ・カナワ日本最終公演を聴きに行く前、「予習しなきゃ」と思って、CD、DVDをやたら買いあさった。
キリって、ちゃんと聴いたことないんだよね。1枚買うとしたら、何がいいの?」とおっしゃる方には、『歌に生き、恋に生き〜プッチーニ:愛のアリア集』(ワーナーWPCS21246)をお薦めしよう。1996年5月国立リヨン劇場で収録。キリは51歳か52歳。《太陽と愛》、《魂の歌》、《死とは》のみ、ロジャー・ヴィニョールズがピアノ伴奏。あとの曲は、ケント・ナガノ指揮国立リヨン歌劇場管弦楽団がバックアップ(正確にいうと、キリ抜きの間奏曲も演奏している)。
人気歌手のアリア集は、全曲盤から適当に切り貼りして、みたいないい加減なものが多いのだが、この盤に関しては、制作段階における「一定の意思のようなもの」が感じられる。たとえば、3曲め「この柔らかなレースの中で」、4曲め第3幕間奏曲、5曲め「捨てられて、ひとり寂しく」と続く《マノン・レスコー》の世界。これは、なかなかの聴きものだ。変な全曲盤を聴くよりずっと「聴いた」という気にさせられる。(半分は、ケント・ナガノの手腕によるものだが)
このあと、ピアノ伴奏による《太陽と愛》で、ちょっと心をさまし、7曲めからは《ラ・ボエーム》の世界。もちろん、同じ人が歌っているのだが、こちらはちゃんとお針子ミミに聞えるから不思議だ(フィッシャー=ディースカウやルネ・フレミングのような技巧的歌い分けはしてないのに)。
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ピアノ伴奏による《魂の歌》で、頭の中をリセットしたあとは、《蝶々夫人》から「ある晴れた日に」。これまた、けっこう盛り上がる。このあとは何を聴かせてくれるの!? ピンカートンが帰ってきたと喜ぶときの二重唱? ラストの「さようなら坊や」か? と期待していると、第2幕間奏曲で肩すかし。しかし、この間奏曲に込めるケント・ナガノの思い(この1曲で、《蝶々夫人》のすべてを表現してやる!)がハンパではなく、これを聴いただけで、もうお腹イッパイ。
とても、税込1050円とは思えぬ1枚だ。在庫僅少と思われるので、早めにご購入されたし。
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