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村井 裕弥 |
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「これまでのCD再生に、多くの音楽ファンが不満を持っておられます。そこでメーカー側は『超高域を付加』『ビット数を増やそう』『リサンプリングで、DSD信号に』など様々な対策をおこなってきた。しかし、それでも根本的な解決にはなっとらんのではないか」
こう語るのは、カイザーサウンド貝崎静雄社長。
「で、今回は何を発明したんですか?」 「これです」 「これ、ただのデジタルケーブルじゃないですか? しかもパッシヴですよね」 「はい。あらかじめ解説してしまうと、先入観の押付けになってしまいますから、まずは何も考えないで、試聴してみてください」 貝崎社長は、それだけ言うと、帰っていった。えっ!? 何? 製品名も《カイザーサウンド》? 自社の名を製品に付けるなんて、この世界では滅多にないことだ。 で、まずはTVスペースに置いてあるユニバーサルプレーヤーとAVアンプの間を、《カイザーサウンド》でつないでみた。
――驚いた。「低域がのびた。高域の輝かしさが5割増になった」などという安易な変化ではない。CDフォーマット特有の嘘っぽさ、白々しさとは程遠い、スムースかつ濃厚、しかもホットな音が飛び出してくる。「化学調味料が加えられた美音」とは無縁の世界でもある。
よしっ。次は、ピュアオーディオ用システムで試してみよう。プレーヤーとD/Aコンバーターの間を、《カイザーサウンド》でつなぐ。かけるCDは、ガルネリ弦楽四重奏団ほかによるモーツァルト:弦楽五重奏曲全集。
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変化ベクトルは、先ほどの場合と、ほぼ同じ。ただし、足元のどっしり感とのびやかさが大幅に改善され、演奏ノイズ・会場ノイズまでやたらよく聞えるようになる。その結果、音楽の吸引力・説得力が何倍にもなるから、オーディオチェックのつもりで聴き始めても、いつのまにか音楽のとりこ! 「1曲終わって、拍手に包まれ、ようやく我にかえる」の繰り返しだ。
(つづく) ![]() |