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村井 裕弥 |
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23万1,000円のデジタル・ケーブル《カイザーサウンド》を使って、モーツァルトを聴く。第3段は、マーガレット・プライスによるオペラ&コンサート・アリア集だ。「RCAレッドシール・モーツァルト名盤選」が続くが、試聴盤貸与ではなく、ちゃんと自腹購入しているから、ご安心(笑)めされよ。
M・プライスは、1941年ウェールズ生まれのリリック・ソプラノ(1942年説もあり)。1964年ウェールズ・ナショナル・オペラにおけるデビューは、《フィガロの結婚》ケルビーノ役(1962年説もあり)。《トリスタンとイゾルデ》が売れまくったため、ドラマティック・ソプラノだと誤解していらっしゃる方もいらっしゃるが、それに近い声になっていくのは80年代半ばから。70年から74年にかけて録音されたこの2枚組には、「いかにもリリカルな、29歳から33歳頃の美声」が収録されている。
とまあ、きのうまでこのように理解していた2枚組なのだが、《カイザーサウンド》を介して再生してみると、「高い音をコロコロ転がすのが、意外と苦しそう」であったり、ジェームズ・ロックハート指揮イギリス室内管弦楽団の音が少々ガサつき気味であったり、異なる面が聞えてくる。そして、リリック・ソプラノとして絶頂であった時期の録音であるにもかかわらず、ときおり発声するffの底力やダイナミックな抑揚にハッとしてしまう瞬間の、何と多いことか。
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「そんな、あと出しジャンケンみたいなこと言うなよ。彼女のその後を知ってるから、そう聞えるんだよ」という突っ込みは当然あろうが、ごくごくフツーのデジタルケーブルを使っているときは、そんなことちっとも思わなかったのだ。
おそるべし! 《カイザーサウンド》。(つづく) ![]() |