村井 裕弥

人間、本当に驚くと声も出ない。「どっひゃーっ」とか「おおおおおおお」などと口にしている内は、まだ余裕があるのだなということが、よーくわかった。
もちろん、Ninonynoお得意さんの会であるから、メリケンさんもオリジナル盤コレクター。リスニングルームにはきれいな棚がずらりと並んでいるし、隣室もそっくりLP倉庫。うっかり訊きそびれたが、ビル内別フロアに、まだ倉庫があるのかもしれぬ…。とにかく、常人のレベルをはるかに超えたところで、ハードとソフトのバランスが取れた方だ。
あまりに圧倒されてしまい、写真1枚撮れず、4時間あまりを過ごしたが(今回の写真は、新納氏から拝借)、詳しくはNinonynoのホームページ内「コラム」をお読みいただきたい。北九州市から参加されたCROWさんが「関西杜の会(全国集合!!)開催記」という名文を寄せられている。これさえ読めば、「なぜ1レコード店が、これほど強い吸引力を持つのか」おわかりいただけるであろうし、このイベントが「オリジナル盤やヴィンテージオーディオを自慢し合う会」でないことも自明。
いやぁ。実際、すこぶる居心地の良い会であった。何より皆さん、本当に音楽が好きなんだなぁというのが伝わってきたし、自分の好みを人に押し付けることもない。「俺の方が上だ」と、人を見下す人もいない。オーディオねたに関しても、それらはすべて「自分の体験から来る話」であって、「聞きかじり」や「雑誌そのまま」を話すこともない。
ついでに書かせていただくと、お昼に取っていただいた出前の寿司も極上品であった。うまい酢飯を作って、その上に新鮮なさしみを載せても、それだけでは寿司にならない。「そこに加えるべき+α」を熟知した職人が握った寿司なのだ。「文化度の高い街にお住まいなのだな」と、心底うらやましくなった。
「村井さんが来ると聞いたから」とプレゼントを自作してくださった方、「村井さん、アンゲルブレシュトお好きでしょう」とわざわざフォーレ:レクイエム(もちろんオリジナル盤)を持ってきてくださった方にも、心から感謝。
(つづく)