村井 裕弥

センモニ(ヤマハNS−1000M)のマグネットを再着磁。エッジは、セーム革製に交換。さらに、ネットワークのパーツを方向性管理。ここまでやったあと、信川さんが取組んだのは、波動トゥイーターCLT−1(逸品館AIRBOW製)の追加であった。
「何だ? スーパートゥイーターなら、俺だって追加してるぞ」とおっしゃるマニアも多数いらっしゃるであろうが、このCLT−1、そんじょそこらのトゥイーターとは効き方が異なる。多くのスーパートゥイーターが「高域を付加する」「超高域をさらに延ばす」のに対し、CLT−1は「ピストンモーション等によって鈍化した高域を本来のスピードに戻し、再生音をよりナチュラルに、リアルに変える」のだ。「オーディオ臭い音を、より生音に近づける」と言ってもよい。
同じような効果をねらった他社製品もあるが、発音源がケースに覆われている分、発音源むき出しのCLT−1より不利。発売当初CLT−1は、「使いこなし不要。どんなメインスピーカーに対しても、載せるだけで効果を発揮する」と言われていたが、「それでも、使いこなしによって効果が高まる」と言い出したのが、ASC山本紘市会長だったなぁ。ここいら辺については、『オーディオ2001』というMOOKの186頁をお読みいただきたいのだが、信川さんはそのあたりのワザも、しっかり取込んでいる。
ただし、ここが1番大事なところなのだけど、信川さんは、山本会長がしたことを、そっくり真似したワケではない。ひとつずつ、自分の耳で効果を確かめ、さらにある程度放置し「よし! これは行ける」と納得したことだけ取込んできた。よく、「ASCって、何が何でも、クライオ、銀線、五色石にステンレスなんでしょ」とおっしゃる方に出くわすが、オーディオにとって1番大切な言葉は「ちゃ〜んと、自分の耳で確認しなきゃ」。人様の成功を猿マネしてうまくいくほど、イージーな趣味ではないのだ。