村井 裕弥

「信川千弘さんちの音とその秘訣について、もっと書け」と言われたら、あと1か月は書き続けられるけど、「そろそろ次の話を」とお思いの読者も多かろう。「信川さん。あんた、何で、そんな音出せるの!?」等、具体的なご質問・ご要望がおありの方は、ASC神戸支部(関西支部)の掲示板に、直接お書き込みいただきたい。信川支部長自ら、誠実に対応してくれるはずだ。
誰が言い出した話かは知らぬが、マニア宅訪問は2時間が相場! 気が弱いボクは、結局1時間半しかいられなかったのだが、その内、信川サウンドを聴かせていただいたのは、せいぜい15分くらい。えっ!?「あとの1時間余りは何してたか」って? ウチのやつと信川令夫人が、お菓子作りとパン焼きの話(爆)をしていたのだ。「亭主がオーディオマニアだと、音のみならず料理にもうるさいから、奥様方はたいへん!」と喝破されたのは、故長岡鉄男先生だが、たいへんなのは「このピーチクパーチク」を毎日聞かされ続けることではないか。何たって、小麦粉うんぬんを超えて、「イースト菌はどこのがいいか」なんて話をしているのだから。(「コンセントはどこのが良い。どこそこのハンダは、音が濁る」なんて盛上がってる我々とおんなじか?)
信川さん自ら運転する高級車で、□□□駅まで送っていただいたあとは、JR山陽本線で、元町まで戻る(さすがはフルムーン夫婦グリーンパス。いくら乗っても、ただ)。そろそろ、衣類が底をついてきたので、Tシャツなどを買い足さなければならぬのだ。
そんなこんなで、商店街をぶらついていると、中華街発の獅子舞が、目の前をよぎって行く。観光客や、にわかカメラマンは、そのあとを追う。「それがどうした!?」とおっしゃる方もあろうが、信川サウンドの高みに打ちのめされたボクにとっては、心の傷を癒してくれるサイコーの救世主。ああ。いっそのこと、あのお獅子に、頭をガップリ噛んでもらえばよかったなぁ。そうすれば、オーディオ界の煩悩から解放されたのかも知れぬのに。
(つづく)