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村井 裕弥 |
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こういうお宅で、いきなり『土と水』というのも、気が引ける。とりあえず上部さんがふだんよくお聴きのCDをかけてもらうことになった。
まずは、大編成のオーケストラものから。
――ふうん。こういう音が出るんだ。オーディオマニアがオーケストラものを再生すると、 □ コントラバスが聞えるか □ グランカッサは炸裂するか □ Dレンジの広さは なんてことを気にしてしまうものだが、上部さんの関心は、もっと別なところにあるようだ。 ![]() | ![]() |
コタツの中に足を突っ込み、ベストポジションで聴いたときの「ナチュラルな定位」と「歌心あふれる中域」は、ボクが初めて体験する世界。「聴き手が何を求めているか」が、これほど伝わってくる装置も珍しい。
いろいろなCDをかけていただいたが、関西支部のとあるメンバーが持ってきた小編成金管アンサンブル(生録CD−R)の再生が、特に秀逸! 奏者と奏者の対話が聞えてくるような鳴り方なのだ。
こういう音を聴かせていただくと、「あのアンプはJAZZ向き、このスピーカーはクラシック向き」なんていう論議がいかに浅薄であるかがわかる。ついでに言うと、「真に個性的な音は、奇妙キテレツな装置とケーブルの組合せでムリヤリ作るものではなく、オーナーの姿勢が自然とにじみ出て形成されるのだ」ということもね。
『土と水』をかけると、ベースのはじけ方がやや重め(もう少しはじけてほしい)という気がしないでもないのだが、そこいら辺は上部さんの関心外なのだろう。バガボンのパパじゃないけど、これでいいのだ。人が何と言おうと、上部さんには、この路線をとことん突き進んでいただきたい。
ボクたちはこのあと、「璃維孟莟(りいもうがん)」というおそば屋さんに直行。リー・モーガンの名盤を聴きつつ、鴨鍋と出石(いずし)そばを満喫した。兵庫県川西市向陽台3丁目5-118。月曜定休。電話は0727-93-1333。駐車場完備。あまりにおいしかったので、「関西支部の新年会は、毎年ここでやろうか」という話まで出た。
往復の飛行機代とホテル代まで払って参加したが、満足感あふれる1泊2日となった。ボクも毎年来ようかなぁ。 (完) |