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台湾行きの目的は小籠包を食べるためか?オーディオのためか?

いま台湾のオーディオ事情はおもしろい。
写真は街中のギター弾き
 昨年の末、イチョウの葉が赤みを増し風に冷たさを感じるようになった途端、口一杯に広がる小籠包の熱いジューシーな味が頭に浮かんで、居ても立ってもいられず赤坂や銀座の名ばかりの有名中華料理店て食べるくらいならと、格安チケットを買って台北行きの航空機に飛び乗ってしまった。
 最も有名な「ていたいほう」はガイドブック片手の日本の娘たちでどうせ長蛇の列だろうからその横丁を曲がってとぉ、なんて書いていてはこのページの趣旨に合わないのでありまして・・・・。
 実は台湾に行った際には是非寄りたいと思っていたところが以前からあったのだ。
 数年前たまたまオーディオ関係者の紹介で手に入れた台湾製のプリアンプがすこぶる出来がよく、機会があれば制作した技術者に会ってみたいと思っていたわけ。ついでに台湾の音楽事情にでも触れられればという思いもあったし。一昨年ベトナムを取材したら面白いの何のすっかりアジアのオーディオ事情にはまってしまったんです。その辺の事情はA@VVILLAGE75号に詳しく載っています。
メガティックの試聴室へ代表作プリアンプFTP1を聴く

李大陸社長の試聴室は仏壇・仏具や
オオーディオ商品が入り混じっている



大陸社長とプリアンプFTP1
 11月も末だというのに台北は季節外れの暑さで30度。冷房のきいた車でガレージメーカー「メガッテック」の李大陸社長に下町にあるオフィスへ案内してもらった。
 台湾のオーディオメーカーと言えばA&Vvillageの読者にはアッシャーがお馴染みだ。世界中に自社ブランドの製品だけでなくOEM製品を送り出す台湾有数の会社だが、今回訪れたのは二間ばかりのオフィス兼視聴室である。写真にあるとおり仏壇・仏像や古い人形、ガラクタといっては叱られてしまいそうなものが混在していてすこぶる面白い。
 代表作のプリアンプ「FTP1」の特徴は、配線材に金線を使っていて実に優美でリアルな音を出す。自作したというボックスにセットされたローサーPM4から流れるモーツァルトのコンチェルトのピアノは音がよく立っていて宝石のよう。音が空間に消えてゆく瞬間の空気の震えは異国にいる感傷もあって涙が出るような心地よさを誘う。
李大陸社長の日本の印象は「チープなは機器の氾濫と超高価なハイエンド崇拝」

845のメインアンプは切れのよいすてきな音を出す
 数年前の管球フェアに出店したことのある社長の李大陸さんに日本のオーディオについて聞いてみた。「AVを含めたチ−プな機器の氾濫と信じがたいほど高価なハイエンド製品の崇拝。ちょっとヴィンテージにこだわりのある人はウエスタン、マランツ、マッキンなど有名ブランドに群がる。台湾も一緒です。日本進出はあきらめました。今後は、やはりアメリカの市場が狙い。CEAへ参加して新しいマーケットを開拓します」とのお答え。正論とはいえ少し悲しいものがある。「デジタル、アナログにこだわりません。昔の名品がすべてとも思いません。現代の技術は素晴らしい。それは素直に信じてよい」また素材の純度も上がっているから、今の素材を駆使した製品作りをすれば素晴らしい機器を生み出せるという。
 それがFTP1なのだ。日本でも10台売れたという。価格を抑えてたくさんの人に使ってほしいが線材に金を使っているのでコストダウンが難しいという。メガッテックの商品はその他にトランジスタのD/Aコンバータ−とフォノイコライザーアンプ。それに300Bと845搭載の2種類の管球メインアンプだ。特に845は切れの良い素敵な音を出す。「この2種類のタマは中国でもロシア製でも比較的良質なものが手にはいるので主力にしている」とのご説明である。
李社長は日本通!美空ひばりもお気に入り
 '80年代に抵抗器のエンジニアとして日本に3年近くいたことのある李さんは、なかなかの日本通。クラッシック、ジャズ、演歌なんでもござれの音楽ファンだが美空ひばりがイチバンのお気に入り。「りんご追分」なら任せときって具合だ。日本の技術力を高く評価していてパナソニックのカメラからソニー、アキュフェーズ、上杉、ケーブルのモガミ。トーレンスのTD126Uにはダイナベクターの505アームにデノンの103がしっかりとついている。最近日本では中国製の管球アンプが出回っていますがと聞くと性能が安定しないのでと首を傾げた。 
試聴室の真空管                    試聴室のアンティーク
街で見つけたオーディオ店はため息が出るような店

街で見つけたオーディオ店「AV Boutique」
ため息が出るほどの商品群だ
 音楽の美しさに心を洗われたあとは、よ〜し体を解放しようと言うわけでマッサージ店の玄関をくぐる。足つぼから頭のてっぺんまで3時間もかけて揉みほぐしてもらい、あまりの心地よさにふらふら目抜き通りの長春路を歩いていたら、突然目の前にゴ−ジャスなオーディオショップの看板が現れて吸い込まれるように飛び込んでしまった。
 店のなまえはズバリ「AV Boutique]そのあとに「人間映象ー数位館」とある。東京でもそうそう見かけないような5階建ての瀟洒な造り。各フロアに視聴室があってびっしりとハイエンド製品が並び、思わずため息がでてしまう。JBL,ティール、アバロン、ウイルソン、マッキン、B&W、ソナス、ゴールドムンド、ダリ、ダンテック、FM、ビオラ、ホブランド、mbl、・・・、スピーカーからアンプ、プレーヤーまで日本でもまだ見かけられない欧米のハイエンドメーカーのトップクラスの製品が勢揃い。ゆったりとソファーに身を沈めて音楽に浸ることができる。最上階の5階フロアーには豪華なティーサロン”パラゴン”があっていちどドアをくぐったらオーディオの虜にして帰さないぞという構えだ。
台湾を楽しむ通はオーディオに身を任す

店内はゆったりと音楽を楽しめる(AV Boutique」にて
 台湾までは4時間チョイだからひとっ飛び。台北は町が綺麗だし食べ物がすこぶる旨い。人々は親日的だし安全。アメリカやヨーロッパばかりに目がいっていた人は一度は訪れたほうがよい。ただし数年前に完成した101階という世界最高のTAIPEIタワーは一番の名所だが観光客で一杯だし、やっと開通した新幹線は日本製だから珍しくもない。街歩きで疲れたらゆったりとしたソファーで中国音楽の世界に身をまかすのもオーディオ党ならではの遊び方かも。
 
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