Google AND OR  
TOPDigitalVillageサロン>No.11
秋葉のオーファンはどこへ行ったのか?
オーディオフェアのシーズン到来だ。前宣伝は賑々しいがここ数年来入場者の数は横ばいのようで、長いオーディオ不況の流れにはなかなか歯止めが利かない。そんな中スピーカークラフトや真空管アンプの自作派たちは結構盛り上がっていると言う。とは言え秋葉原で彼らを見かけることがめっきり少なくなった気がする。一時は横丁を埋め尽くしていた彼らは一体どこに消えちまったんだろう。今やあの街は白いブラウスと黒のスカートに身を包んだガキ娘と恥じらいの笑みを浮かべながら手をつないで歩く男どもばかりが目に付くいや〜な町になっちまったからなあ。
趣味は個人的ものだからな〜
それはそれとして趣味の世界はあくまで個人的なものだから法律を犯さない限りどんなオーディオの楽しみ方をしようと構わない。後ろからも音のするマルチやiポッドみたいなお手軽な音楽の楽しみ方に怒り心頭の年配ピュアオーディオ党はマッキンやマランツ、スピーカーならJBLやタンノイを有難がった時代を懐かしんで今を嘆くが、選択肢が広がった分現代のほうが余程健全なのは間違いない。
でも、ヴィンテージオーディオも覗いてごらんなさい
確かにゼロが3つもつく万円のスピーカーを並べて悦に入るハイエンドファンの存在や、地下鉄の中でも音楽を楽しめちゃうと勘違いしている軽薄な種族にはうんざりするのは言うまでもないが、そんな中ひっそりと音楽と向き合っているヴィンテージオーディオの愛好者たちと触れ合うとホッとするのだ。
とは言え、この人たちだって手放しには褒められないのであって、まあ確かにその時代の音楽の良さを最高に表現しようと作られたモノたちだから、当時の作品をきくためのベストと言うべきだろうが、それ以外の世界に理解を示さない頑固者たちだから手に負えない。CDなんておもちゃはいかん。アナログでなければ、後ろにもスピーカーを置くなんてもってのほかだ。ラーメンは醤油味に限る。女性は大和撫子でなければいかん、そういう手合いたちだ。確かに素晴らしい音楽の一ジャンルに違いないからピュアなオーディオファンなら毛嫌いせずに一度は覗いてみることをお勧めする。興味をもたれた方のために向けた拙文をご紹介しておこう。
 横須賀にあるヴィンテージショップ、マツシタハイファイのホームページに寄稿したものだ。

[音のスパイス]
オーディオがデジタルの領域に踏み込んで20数年。今朝届いた新聞の一面には「1000曲のケータイ、秋登場」の見出しが躍る。0と1の世界の急激な進化はとどまる所をしらない。自らの足を食いちぎるかのように音楽パッケージを駆逐していく。メーカーと癒着したオーディオ評論家や専門誌がどんなに旗を振ろうと、SACDやDVDオーディオは一向に広がる気配はない。
一方、管球アンプやアナログレコードのブームはしたたかに続いていると聞く。そうした混沌としたオーディオの文化のなか、そろそろヴィンテージ・オーディオの世界にも日が当たっても良いのではないだろうか。
「ヴィンテージ」をリーダーズ英和辞典で引いてみると 『<ワイン>が特定の年度および銘柄の・<円熟度のしるしとしての>古さ・最高の;古くて価値のある』 等とある。一般的にヴィンテージといって思い浮かべるのはオーディオの他に、ワイン、カメラ、腕時計、自動車といったところであろう。この中で本来の機能そのものを発揮し続けるのはオーディオだけではなかろうか。その他のものは単なる飾り物に過ぎないと言えなくもない。
スピーカーならEVのザ・パトリシアンやジョージアン、JBLのパラゴンやタンノイのオートグラフ。アンプならマッキントッシュやマランツの管球アンプ。素晴らしい音色を奏でるものが数多くある。
混同されやすいものにアンティークという表現があり、家具等に使われる。建築ならクラシックだ。どちらも過ぎ去ったものを、その古さ故に、古さそのものを味わえるから意味を持つ。
ヴィンテージ・オーディオは現在でも立派に、否、今そのものをはるかに凌いで音楽を奏でるからこそ素晴らしいし、将来にも十分力を発揮するものでなくてはならない。そうでなければ単なるジャンクと化してしまうであろう。
しかし、トランジスタは駄目、ヴィンテージでなければオーディオにあらずといった宗教のような信奉は願い下げだ。オーディオは素晴らしい音楽を表現できてこそ評価が決まるのであって、型式や作られた時代がモノをいう訳ではない。
ヴィンテージショップを廻っていて困るのは、店のスタッフ本人がヴィンテージ気取りで物をかたることだ。その点、マツシタHi-Fiの松下貞夫さんは単なる酒飲みのオーディオ大好きオジさんであり、大変居心地が良い。月に1回は横須賀に足が向いてしまうのだ。
ヴィンテージは素晴らしい。年代を経てますます持ち味を発揮していくからこそ凄いのだ。しかし、サシミや女性はやっぱりピチピチと新鮮な方がありがたい。旨いサシミを肴に、傍には若い美女を置き、ゆっくりとヴィンテージワインを傾ける。こたえられませんなあ。マッキンのMC240に灯を入れ、JBLサブリンから優しく歌いかけるペギー・リーに「あんたもイイけど、若い娘もなかなかさ」なんて、中年のオーディオおたくはつい語りかけてしまうのでアリマス。
(写真はあえて説明を省きますが、ヴィンテージオーディオの一部をお楽しみ下さい。)
  
  
 
 
page_top