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前回の「ヴェトナムオーディオ紀行」「ヴィンテージオーディオ」は横須賀にあるオーディオショップ「マツシタハイファイ」のHPから転載したものだ。ヴィンテージに触れたついでにお店も紹介しておこう。
京浜急行横須賀中央駅から徒歩10分、三笠公園のまん前にある。
 松下ハイファイの外観 日露戦争で活躍をした戦艦三笠が係留されているこの公園は、よく整備されていてなかなか美しい。晴れた日には猿島がくっきりと望めるから一度は訪れて見るといい。隣に米軍の横須賀基地があり外国人の顔も多く見られる。観光気分で出かけても十分元が取れる。
ビンテージオーディオ専門店てのは敷居が高くてなかなか入りにくいイメージがするもんです。ウインドに飾られた銘機に惹かれてふらふらと入ろうものなら気難しそうな親父にじろりと睨まれるのが関の山であり、まかり間違えても暖かい歓迎を期待してはいけない。コーヒーを振舞われるようになるには相当時間が必要だ。なんせジャズとクラシック以外は音楽と認めない輩なんだ。(でも何故かみんな大の美空ひばり好き!)
ジャケットだけで中身を言い当てられるくらいでなければいけないし、カラヤンや小沢征爾を知っているだけでは手ぬるい。フルベン(そう言えばもはやこれも死語か!)にしろトスカニーニにしろ何しろ敵は人様が関心をもたないようなアーチストや楽曲の知識があることを鼻に掛ける種族だから手に負えない。
 ヴィンテージの仲間がずらりと勢揃い オーディオだってマッキンやマランツ、JBL,タンノイなどを聞きかじって知ったかぶりをやらかすような客はかえって馬鹿にされるのがおちだ。欧州のメーカーなら少なくともテレフンケンやシーメンス、アメリカならフィッシャーとかジェンセンあたりを知らなければいけない。まあといったってことさら勉強なんかすることはない。敵さんだってホントはそんなに知りはしない。
そもそも連中は外観そのものがヴィンテージと化している。ゴールドムンドやアバンギャルドと関係あるとはとても思えない。自分自身がハイエンドと勘違いしてふんぞり返っているアキバのお偉いオーディオ人よりはましだが、一癖ありそうでお付き合いには苦労する。
そんな中で比較的気軽に付き合えるのが「ユートピア」の怪人前川さんやいつも椅子に座って通りを見つめているヒノオーディオの親父さん。八王子のクサカベさんは結構最近のものも扱っていて、いわばハイブリッドだし前川さんはファミリーキングという素晴らしいスピーカーを作るのに忙しいから、純粋にはヴィンテージショップ専門とはいえないかも。まあそんな中で「マツシタハイファイ」は生粋の専門店でありオーナーの松下さんといえばワインとミステリー小説が大好きな極めて普通の洒落ものおじさんだから安心してよい。最近は吉祥寺「メグ」のかの寺島靖国さんに脅されてトロンボーンをかじりだしているというからなかなか趣味人であることは間違いない。
ビンテージ店といえばかび臭さと薄暗い店内、棚には古びた真空管アンプがずらりというのがお決まりだが、ところがどうしてこの店はなかなかお洒落だ。
白壁にセンスのいい絵がさりげなく掛けられていて、ゆったりと音楽の世界に浸れる雰囲気を演出している。トイレにしても清潔で一度入ったらそこに住みつきたい気なるくらいなんだホントに。
 オーディオサロンの風景 毎月第1土曜日がクラシック、第3土曜日がジャズの日。 右端がオーナーの松下さん。 ずらりと並んだ真空管アンプの銘機たちは半世紀も生きてきたものにもかかわらず、なぜかここにあると古さを感じさせない。広い店内にはEMT927、930stやガラード301などアナログ党ならよだれをこぼしそうなレコードプレーヤーが置かれエレクトロボイスやジェンセンといった古きよき頃のアメリカ製超大型スピーカーからモーツアルトがゆったりと流れている。
あまりうるさいことを言わないから音楽に没頭できる。コーヒーを勧められて「お好きな音楽は?」と問われたらあなたの大好きな女性ヴォーカルを挙げよう。
ここで流れるジャズヴォーカルは天下一品だし、女っぷりが間違いなくワンランクあがるんだ。ステージで歌っていたはずが風呂上りになっちまう。なまめかしくなっちゃうんだなあ。毎月第2土曜の午後にジャズパーティ−を、第4土曜の午後はクラシックパーティーを開いている。ビールやワインを振舞ってくれるから車でいくのは止めたほうが良い。ご自分の愛聴盤を持って出掛けよう。
 オーサロンの風景その2 なおマツシタハイファイをはじめオーディオ不況のなか頑張っているオーディオ人たちを取材したシリーズ「オーディオ異人伝」は、「A&Vvillage]に掲載されています。同誌は現在休刊中ですが秋葉原のエンゼルポケットには在庫が置いてあります。関心のある方はお早くどうぞ。
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