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TOPDigitalVillageサロン>No.19
映画会社のタイトルのインパクトはすごかったね!
メ)俺はアメリカ映画育ちで特に20世紀フォックスが好きだったの。20にサーチライトが当たって次のカットはブルーバックに“CINEMASCOPE”と出るのね。
メ)以前のものは例の♪パンパパパ〜ン パパパ パンパパパ〜ン♪のあとでカットが替わるんだ。昔のスクリーンは湾曲していたから左右が持ち上がって見えるんだ。当時はまだスタンダードサイズが幅をきかせていて、スコープの作品はどちらかというと大作や話題作が多かったから、ますます映画に対する期待が高まっちゃってぞくぞくしながら見つめていたものさ。
芦)タイトルのインパクトでは断然フォックスが抜けていますね。特別な映画ファンでなくともあのマークは知っているようだし。あとはライオンが咆えるMGMですね。
メ)メトロ・ゴールドウイン・メイヤーね。あれが犬とか猫だとそうは有名にならなかったのかも知れん。
芦)それと比べると[WB]のワーナーブラザーズとか地球が回るユニバーサルは負けていますね。
メ)山が映るパラマウントも「レイダース」('81)がなかったら地味なままだったかもしれない。最近ので手前から星の列が入っていって山を囲むのがあったけれどちょっと品に欠けている。
芦)コロムビアは自由の女神が頑張っている割に印象が薄くてすぐに作品を挙げられないですね。
メ)もうひとつ俺の気にいっているのはユニバーサル。地球が回るやつ。半円の地球の奥からロゴが出るのがあったけど前は確か真ん中に地球があってその上にべたっとロゴがのっかっていたんじゃなかったかなあ。
芦)今もそうですね、基本的には。デザインは違うけど。
メ)なぜ好きかといえば当時ユニバーサルはニュース映画もやっていて見慣れていてねえ。外国のニュース映画にはもうひとつムービートンニュースというのがあってそっちは確か20世紀フォックスのだった。
芦)大毎とか中日、朝日に読売ニュースという日本のものは覚えているけど、外国モノを見たことはありませんでした。京都という地域性もあるかも知れません。
メ)無理もないよ。有名な竹脇昌作がナレーションをやっていた頃だから。半世紀も前のことだからねえ。
芦)竹脇無我のお父さんですよね。あの人の現役の頃を知ってるんですか?
メ)団塊の世代だからね。アナウンサーとしては初めてメジャーになった人じゃないかなあ。
芦)私にとっては宮田輝も芥川隆行も高橋敬三もみんないっしょですけれど。もともとNHKの出身で、パラマウントのニュースをやっていたとモノの本で読んだことがあります。しかし話がどんどん古いほうへ行きますね。
ニュース映画ってのもあったなあ!
メ)古いもの序に言えば俺と同世代で東京生まれの人なら覚えているかもしれないけど、新宿の伊勢丹先大レコード店コタニや地球堂だったか世界堂? 美術店の隣辺りにニュース映画だけ掛ける珍しい映画館があって内外のニュース映画ばかりやるんだ。ディズニーのアニメが一本おまけに入っていてね。有名な「黄金分割」かなんかを。小学生の頃親に連れて行ってもらうのが楽しみでね。入場料は10円くらいじゃなかったかしら。しばらくして行ってみたらなんとストリップ劇場に変わっていた!
芦)それからは自分のお金で通ったんだ! しかしよ〜くニュース映画だけで商売になりましたねえ。いい時代だったんですね。
メ)テレビが出現する前だったのかしらん。もう「チロリン村とクルミの木」や「てなもんや三度笠」は始まっていたと思うけど。映画の黄金期だね。
芦)やはり東京ですね。京都は文化の都みたいに言われていますけど名画座はそんなに数多くありませんでしたから。
パラマウント、MGM、ワーナー・・・よかったなあ
メ)ユニバーサルと言えばヒチコックの作品がそうだった気がするけど?
芦)もとはイギリスで撮っていましたけれどハリウッドではいろいろな映画会社と付き合ったようです。最後の「トパーズ(‘69)」「フレンジー('72)」「ファミリー・プロット('76)」はユニバーサルです。
メ)俺の頭にはパラマウントならプレスリーの青春モノやジェリー・ルイスとディーン・マーティンの凸凹コメディーもの。ワーナー・ブラザースがデルマー・デイビス監督やグレン・フォードなんかが活躍していた西部劇。MGMがミュージカルってインプットされていてコロムビアは特徴が思い出せない。
芦)わたしの中のメジャーはやっぱりMGMですねえ。「風と共に去りぬ」('38)の。メトロ・ゴールドウイン・メイヤーが正式名だけれど、これがなかったら「ザッツ・エンターテイメント」('74)をはじめアメリカ映画の歴史からミュージカル映画が消えちゃいます。ジュディー・ガーランド、ジーン・ケリーアステア、みんな消えちゃう。
メ)おうおうそれは事件だ!たしかにそうだ、やっぱりアメリカ映画はライオンが咆えるか20にサーチライトが当らなきゃあ。
 
風と共に去りぬ          ザッツエンターテインメント
芦)ワーナーを軽くみちゃいけないでしょう。ボギーを消しちゃっていいの?
メ)いかんいかん。あれ何とかワーナーという兄弟がいっしょになって作ったんだ。
芦)それはそうですよ。ブラザースと言うくらいだから。「マルタの鷹('41)」「カサブランカ('42)」「脱出('44)」「三つ数えろ('46)」「「キー・ラーゴ('48)」。あなたの気に入りの作品はみんなそうですよ。

三つ数えろ
メ)そうだ。そうするとひょっとしてまだ無名の頃のボギーが出ていた「汚れた顔の天使」('38)もそうかな。「白熱」('49)なんかのジェームス・キャグニーがいい味を出していた。ワーナー兄弟ってギャングだったのかなあ。そっち系の傑作が多いし。「白熱」はギャング一家のお話でおっかさんが怖いの。ラストは彼がガスタンクの上でさ…。
芦)言わない! 興奮しない! でも当たり! どちらもそうです。彼はワーナーの専属だったんです。

白熱
メ)その2本は俺のベストテンに入る作品だけれどメチャ気に入りのあれもそうかなあ。「ミスターロバーツ」('55),「ワン・ツー・スリー」('61)。
芦)仰るとおり。
メ)「ミスターロバーツ」はおんぼろの輸送船乗りから志願して戦地に向かったロバーツの思い出話をしているところへ手紙が届いてジャック・レモンが読み上げるの。“ミスターロバーツ イズ デッド”英語を習う前なのにしっかり分かって、それが嬉しくってどんどん英語が好きになって大学まで全部“優”だった。
芦)あなたの自慢話を聞いても仕方ないけれど、キャグニーが厭味な艦長役をやっていて愉快な作品でした。
メ)弱虫だったレモンがその手紙を読んだ後“よ〜しオレも”ってキャグニーの可愛がっていたサボテンかなんかの鉢植えを海に投げ込んじゃうんだ。
芦)折角のお気に入り作品かも知れませんが、ひとつだけ注意しておきますけどタイトルは“ミスター”ではなく“ミスタア”です。
メ)エッツ? そうだっけ?
芦)監督も二人の共同作品です。
メ)それは常識さ。といっても二人で一緒に監督したわけではなく確かジョン・フォードが撮っていて途中で亡くなったので、マービン・ルロイが引き継いたんだ。ヒューマンなコメディーをあの西部劇の神様と「哀愁」のルロイが作ったなんて不思議だね。
芦)そうですね。作風は全く違いますし作品歴でも共通するところはなさそうな監督なのに。親友だったとか親交が深かったとか起用の理由はあるんでしょうが。
メ)でもプロデューサーの眼は確かなものがあるね。
芦)素晴らしい喜劇に仕上がっていますから。しかしさすがに昔の知識はすごいですね。
メ)「猿の惑星」('68)ではその自由の女神が半分水没しちゃったけどあれもコロンビアだったらおかしいね
芦)残念ながらあれはフォックスです。
メ)コロムビア映画ってこの作ひ〜ん“というのが浮かばないの。「アラビアのロレンス」('62)くらいかなあ。
芦)「戦場にかける橋」('57)もそうでしょう。悲しいことに最近はソニーの傘下に入ってイラストになっちゃってるらしい。
メ)ぐやじいねえ。あっ! まだあった! パラマウントだ!
芦)「レイダース」がなくなっちゃう! 折角あの山のマークから本物の山にオーバーラップしていくおふざけたっぷりの洒落たオープニングなのに。あれがあるからインディー・ジョーンズの後を岩がごろごろ洞窟の中を名アバンシーンがいきるのに。
メ)仰る通りでございます〜う。
 
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