| メ)前回はまさかの「おくりびと」のアカデミー賞受賞でこの連載を一回お休みしたけどまた”古今東西チャンバラのチャンピオンは誰だ?”に戻ろう。
芦)「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの中で一番チャンバラ映画ぽかったのはどれでしょうね?
メ)俺ねあの3作、ほとんど区別がつかない。大きな樽の上でチャンチャンばらばらやるのがあった。あれは何作目だった?
芦)二作目の「デッドマンズ・チェスト」(’06)じゃないですか。
メ)そうか、みんな同じに見えちゃってね。そもそも話がややこし過ぎるんだ。
芦)頭がついていけないだけでしょう。次から次へと息もつかせず楽しませてくれれば言うことなしじゃないですか。
メ)そこまでやるかあ、そこまでてんこ盛りにするのかって感じがするのよね。てんぷらと焼き肉を一度に食べてる気がするぜ。もうごちそうさま。何本見ても一緒。どうせ区別がつかないもの。確かに昔の海賊ものと異なってタコのお化けは出てくるはアクションも笑いもたっぷりで抜群に面白いけど。
芦)それなら文句ないじゃないですか。どうせ電気紙芝居なんだから。
メ)詩情に欠けるの!じゃあ聞くけど、その三本の中身を分かりやすく説明してみて。
芦)ウ〜ム一作目なら。
メ)そうだろう。説明できないだろう。きっと見た人みんな区別できてないんだ。
芦)でも最初の「呪われた海賊たち」(’03)は紛れもなく海賊映画の王道を行っていますよ。お宝と姫君をめぐるシンプルな冒険活劇だったじゃないですか。
 呪われた海賊たちメ)元々このジャンルは簡単なお膳立てが身上なのにスケベ根性出して無理やりシリーズにしちゃうから大ダコなんか出さなきゃならない訳よ。
芦)いいじゃない。若い人たちが大喜びで楽しんでいるんですから。昔の映画センスでものを語らないの!おボケも入ってるんだし。
メ)認めます認めます!最近こう思うの。3冊の面白い本と3種類のDVD、3枚のCDがあれば十分毎日楽しく暮らせるってね。1週間もすると中身がすっかり頭から消えてるから。
芦)白状すると私にもその症状が現れ始めています。
メ)そ〜だろう。我が家にはおんなじCDや本が少なくとも三つくらいはあるのよ。ダブって買うことが多くてさ。ひどいのはわざわざ香港あたりでね。あっ!珍しいのめっけたなんて大喜びで買って帰ったら家に既にあったということがちょくちょく。
芦)大ジョブ大ジョブ!一緒です私も。
メ)君とおんなじだからって別に安心できる訳じゃないのよ。この前レンタルDVD借りてね。最後まできて何となく見た気がしたんで店員さんに調べてもらったのね。そうしたらなんと僅か3週間前に借りてもんだった。ショックだったなあ。デ・ニーロの「ミッドナイト・ラン」って作品。たるい映画だから忘れっちまったのかもしれないけど。ああもうだめじゃ。
芦)私もさすがにそこまではひどくないですが。
メ)だからね。3冊の本3枚のDVDとCD、それに3人の女がいればもう十分!
芦)最後のところは余計なの!
メ)それにしても「パイレーツ」はなあ。海賊ものはシンプルイズベストよ。それで面白く見せるのが監督の腕よ。
芦)今どきのうるさい映画ファンはそんなもんじゃ納得しませんよ。
メ)そういう意味で「真紅の盗賊」が一番なの。もうひとつチャンバラが目立った海賊ものと言えばね、エロール・フリンが海賊の親玉をやった「シー・ホーク」(’40)ってのがあって、これのチャンバラシーンは凄かったよ。スペインの悪い騎士とやるんだけど、見事なフェンシングシーンだったのを覚えてるなあ。太田雄貴顔負けよ。
芦)私は見ていません。
 真紅の盗賊メ)・監督がマイケル・カーティス。「カサブランカ」の監督ね。お話は子供でも分かる典型的な海賊もの。もっとも海賊と言いながら実は裏で英国女王と通じていて全然アウトローという雰囲気じゃあないのがちょっとずるいけど。
芦)エロール・フリンをアウトローに仕立てるのは大変ですよ。私が彼の作品を見たのは結構大きくなってからビデオですから、当時の雰囲気をリアルに知りませんが、やっぱり大昔の大アイドル俳優と言う気がしました。同時代の女性たちはやっぱり狂っちゃったんだろうと思います。デカプリオやブラピって次元じゃないですね、インパクトが。
メ)そう、長身、二枚目、品があってね。やっぱり単なる海賊冒険アクションってわけにはいかない。
芦)相手も相当大物な美女を用意しなけりゃならないし。
メ)ところがヒロインをやった女優の名前がどうしても出てこないの。顔の印象もないの。(芦の調査によるとフローラ・ロブソンという女優さん。全く知識のない人だった!)
メ)お話は英国女王とつるんで当時の大国スペインを相手に暴れまくるという痛快海洋時代劇巨編!勿論宝物を分捕どるだけじゃなく、お姫様とのロマンスもたっぷりの作品だった。エロール・フリンは当たり前だけど相当カッコよかったぜ。
芦)もちろん彼には嫁さんがいたんですよネ、別に。
メ)?????
芦)だってエロール・”ふりん”なんちゃって。
メ)おっ!おっ!君もそんなベタなオヤジギャグを言う歳になったか!
そう言えば確かに”エロ”ーる・フリンだから、おスケベなはずだなあ。
芦)アブナイアブナイ。雲行きが怪しいから、今日はここまでにしましょう。
メ)今日の二人は最低だな。
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