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メ)さて再び”チャンバラ特集”に戻ろう。前回私めが絶賛した「シーホーク」(’40)をちゃんと見てくれたんだろうねえ?
芦)さすがにあの時代のものとなるとDVDを見つけるのに時間がかかって。すいません。
メ)チャンバラシーンだけでも見て欲しいのに。でもかく言う私も何十年も前に見た印象で語っているからね。随分と思い込みや勘違いがあるかもしれない。
芦)子供の頃広いと思っていた道が大人になってみるとこんなに狭い道だったんだとかいうことがよくありますから、案外中身が違うかも知れませんよ。
メ)そう、クラス会でめちゃ可愛かったアノ花子ちゃんがありゃまあとかいうこともあるからなあ。
芦)それとは少し違うと思いますが。
メ)とにかく「シーホーク」のチャンバラシーンは素敵。うっとりするくらい。
芦)むこうのチャンバラは美しいですね、片方の腕を腰に当ててね。
メ)そうなの。あの頃は片岡千恵蔵とか市川右太衛門、長谷川一夫のチャンバラばかり見ていたからその流麗さと柔らかさにびっくりしたものさ。
芦)日本のチャンバラは確かに男っぽくて”剛”と言う感じですがあちらのは優美ですね。
メ)でもやる方は大変だと思うなあ。えらく長い間やるからね。ちゃんちゃんばらばらを。時代劇では仇打ちや果たし合い、決闘シーン以外は大体一対多数じゃない。でもそれをカットを割って見せるじゃない。
芦)雑魚をバッタバッタと切りまくってから悪役のボスとやりあうんですね。
メ)次郎長一家と黒駒一家の荒神山の果たし合いなんかを、じっくりマンツーマンで見せていたら大変だよね。切りあいのシーンだけで映画が終わっちゃう。
芦)それでしたら「座頭市」は監督にとっては都合のいい素材ですね。
メ)んだ。居合いだからね。あっという間に勝負がついちゃう。だから何度も映画化されたのかしら。ご本尊の勝新からたけしまではいいとして綾瀬はるかは許せんけど。
芦)あれはひどい。市つぁんが目を?いて怒ります。
>  ブラインド・ヒューリーメ)もっと凄いの知ってる?ルトガー・ハウアーがやった「ブラインド・フューリー」(’89)と言うの。凄いよ。勿論座頭市とは言わないけど仕込み杖の立ち回りとか、風貌はニヒルそうでも実は情に熱い正義感の持ち主。それに子供にやさしくちょっぴりおまぬけでヒーローっぽくないキャラクター。まさに「座頭市」そのものだった。
芦)当然知ってまんがな。あの作品はちゃんと勝プロから権利をとったリメーク作品ですよ。
メ)へ〜そうだったんだ。知らなかった。完全にアメリカ版「座頭市」ってわけか。それにしてもあちらは大体マンツーマンの対決で延々とやるだろう。それにフェンシングは斬るというより突くわけだから物理の法則的にも時間がかかるんだ。それに変化が少ないから大抵体ごとぶつけたりそばにある花瓶を投げつけたり椅子を倒したりするの。
芦)どこかに飛び乗ったりとかシャンデリアにぶら下がったり、階段を滑り降りたりしながらやるんですね。最近はみんなカットを割っていますから楽でしょうが、昔の役者さんは大変だったでしょうねえ。
メ)そうもう体力勝負の感がある。それを滅茶苦茶にしちゃったのがタランティーノだ。
芦)「キルビル」(’03)ですね。
メ)日本映画を知り尽くしているなんて豪語してるけど。あの立ち回りは時代劇じゃない。単なるCGを使ったアクロバティックなアクションだよ。でも残念ながらきゃつの作品は面白いから困っちまう。
芦)そうですかあ?あんなに血が飛ぶだけの映画。血しぶきザバ〜でめちゃくちゃな作品といえば「フロムダスクティルドーン」は買います。チャンバラじゃありませんが。
メ)うんうん大好き!この前時代劇役者さんの話をテレビでやっていたけど、時代劇のチャンバラシーンで主役が引き立つコツは切られる方がいかに上手に演じるかにかかってると言っていた。その通りだ。
芦)ところで、エロール・フリン以外にハリウッドの代表的剣豪スターと言ったら誰でしょう?
メ)海賊はやっていないと思うけどタイロン・パワーじゃない。
芦)私は勿論名前を知っていますけどエロール・フリンよりさらに縁遠いです。
メ)確かに活躍した時代は少し前だね。
芦)しかしパワーって名前もすごいですね。もう力の塊みたいです。
メ)俺ね、ついでに言えばもっと凄いの知ってる。ステファニー・パワーズって女優。こっちは”ズ”で複数だからもっとすご〜い!もう体全体がいやらしい塊でむんむんボディ!
芦)おスケベ親父の本性むき出しだなあ。それを言うならせめてオースティン・パワーズとか。
メ)OH!見事な切り返し!彼女は明るくっていかにもアメリカの女優って感じがして好きだったの。ジョン・フォードの後継者なんて持ち上げられながら足元にも及ばなかったアンドリュー・X・マクラグレンの「シエナンドー河」や、大好きな「グレートレース」に出ていなかったかなあ。(これは全部間違い。ステファニーが出ていたのはロバート・ワグナーと共演していた探偵もののTVシリーズ「探偵ハート&ハート]だった。「シェナンド―河」はキャサリン・ロスではなく途中で死んじゃう方だけど違うかなあ。「グレートレース」はドロシー・プロバインだった。ヤバいなあ、記憶が最近とみにいい加減になりつつある!女優なら何でもいいのかってまた芦に叱られるなあ。でもつづりはステファニーもオースチンもPOWERS、タイロンはS無し。せめてもの言い訳に)
芦)どうでもいいけど、ずいぶん脱線してるなあ。ほんとはよく知らないんじゃないの。タイロン・パワー?
メ)うん。イメージはチャンバラスターと思ってるんだけど作品はひとつも浮かばな〜い。
 情婦芦)ほ〜らね。無理しないように。私の中では大根役者ってイメージなんですけど。唯一名前の挙げられるのが闘牛士になった有名な「血と砂」とあの「情婦」です。
メ)ええっそう?!。「情婦」ってビリー・ワイルダーの?
芦)デートリッヒと共演した奴です(’57)。
メ)あの作品は凄っごい。彼が出ていたことは全く記憶がないけど。彼女の背中の演技だけはよう覚えってまっせ。法廷で証言している彼女の後ろをパワーが去っていくのね。それを背中で感じているの。その芝居がすっごいの。
芦)ほらやっぱり覚えてないのは大根だからですよ。
メ)じゃあこれは?スチュアート・グレンジャー。結構活躍したと思うけど。思い出せないなあ、具体的には。チャンバラ以外では出てくるのに。「キングソロモン」とか。リチャード・チェンバレンより前の奴だけど。それにアフリカを舞台にした「死の猛獣狩り」か「赤い槍」(そう言えばこの映画はスペンサー・トレーシーが親爺で息子役をジェームス・スチュアートやリチャード・ウィドマークがやった西部劇「赤い矢」と子供の頃いつもごちゃごちゃになっていたっけ)
芦)無理しなくていいですよ。きっとなんか強烈な印象のものがあって、たくさん出ているように思い込んでるんでしょうね。わたしはあまり印象のない男優ですがチャンバラスターと言うより活劇スターと言う役者だったんじゃあないですか。今でいえばハリソン・フォードのような。
メ)ダグラス・フェアバンクス・Jrと言うのもいたけどさすがに作品名はあげられないなあ。
メ)監督の訃報を二つ。
芦)ケン・アナキンですね。
メ)それにジャック・カーディフ。私にとっては名カメラマンと言った方がしっくりくるんだけど。「黒水仙」や「戦争と平和」の。
 素晴らしき飛行機野郎芦)・ケン・アナキンはここで取り上げるほどの人ですかね。触れるほどの作品も無いでしょう?「史上最大の作戦」も共同監督だし。あとは「素晴らしきヒコーキ野郎」(’65)くらいですか。
メ)冷たいねえ。でも同感だな。
芦)評判倒れでした。しゃきっとしない作品でしたね。
メ)ちょうどあの頃ブレーク・エドワースの「グレートレース」とかJ・ロイ・ヒルの「スティング」や「スラップ・ショット」があってなんとなく同じイメージがしたんだけど月とスッポンだった。
芦)今日は気が合いますねえ。それより語るべきはカーディフの方じゃないですか。
メ)でも監督としてはイマイチだったんじゃない?
 あの胸にもういちど芦)わたし的には大監督ですよ。「あの胸にもういちど」(’68)私の大おすすめ映画なんです。
メ)ドロンとマリアンヌ・フェイスフルが出たやつ?
芦)ドロンはどうでもいいです。あんなにエロチックな作品は見たことないです。フェイスフルが素っ裸の上に皮のツナギみたいなのをラフに着てるんです。もう悩殺されました。
メ)それだけで、はまったってことは凄いんだな。ムフフ私も早く見なきゃあ。でもさ作品の評価とは別だと思うけど。
芦)いやいや。あんなに凄いシーンあるだけで青春時代の映画ファンにとっては十分名画です。
メ)そうか狂ったんだな。でも許そう。俺も「輪舞」の中でロミー・シュナイダーがぺらぺらなビニールみたいなもんを裸の上に羽織って出てくるシーンがあって狂った!俺がなぜカーディフを監督として認めないかと言うとカーディフ作品と言うとたった一本しか浮かばないのよ。「長い船団」(’63)て言うの。
芦)全然記憶にありません。
メ)ヴァイキングみたいなのが活躍するの。
芦)食い放題料理の映画じゃないですよね。
メ)バカか!海賊の方。大好きなリチャード・ウィドマークが出るってんで楽しみに見たら肩透かしにあった。
芦)へえ〜彼が出ていたんですか。
メ)たったひとつよく覚えてるのは当時そこそこ活躍していた、黒人の俳優ウッディー・ストロード。デンゼル・ワシントンとかウィル・スミスみたいに洗練された黒人俳優じゃなくてもうアフリカからそのままやって来た感じ。長身で槍と盾を持たせたらまさにマサイ族。
芦)細かいことまでよう覚えてまんなあ。私は知らない人です。
メ)一時結構顔を見せていたけどぱったり出なくなった。よく覚えているのはジョン・フォードの変テコ西部劇「バッファロー大隊」(’60)。ジェフリー・ハンター主演で確かに騎兵隊ものだけど。「黄色いリボン」「アパッチ砦」「リオグランデの砦」の騎兵隊三部作とは大違い。ミステリー西部劇。裁判映画なの。
芦)なんか今風ですね。
メ)砦の司令官の娘がレイプされてその犯人にされるのがストロードで弁護するのが「キング・オブ・
キングス」のキリストさまのハンターだった。ストロードってどこへ行っちゃったのかなあ。(芦の調査で大間違いが発覚!「長い船団」に出ていたのはなんとシドニイ・ポワチエだった!いい加減になってきたけどオドロキや!)
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