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さて、完璧なスピーカー(ヘッドフォン)のドライブを考えた場合何を目指さなくてはならないのでしょうか?
たとえば正弦波再生を考えた場合、スピーカーを押側(凸)と、へこむ側〔凹〕の動きがまったく同じでないと理想的ではありません。言い換えると、ドライブは正負無限大に渡ってその特性が直線でないといけないのです。しかし実際は、回路を細かく見ると全て非直線ですし、そのドライブ能力は無限大ではありません。(ここで言っているのは出力ではなく内部インピーダンスが0ということ)
 少し・・いや、かなり突っ込んで話しをしましょう。難しいと感じたら、イメージだけでも掴んでいただきたいと思います。 この図は一般的な パワーアンプの回路です。トランジスタ1(TR1)とトランジスタ2(TR2)のコンプリメンタリドライブとなっており、スピーカーをドライブします。プラス側は(スピーカーが出っ張る方) をTR1、マイナス側(スピーカーが引っ込む方)をTR2が担当します。
図でI+とI−になります。点線部分は、 休んでいるトランジスタになります。 図で理解いただけると思いますが、 1. マークが違うトランジスタですが、実際にも全く同じ動作はしていない。つまり、プラスとマイナスで全く同じ相似形の信号を与えてもスピーカーはプラスとマイナスで同一の動作はしません。 2. 電流は向きが違いますが必ずトランジスタとGNDを通ります。 実は、これだけのことなのですが、大問題があるのです。1は再度言わなくてもわかると思いますが、違う波形が再生されてはHiFiではないですよね。歪みです。
あと図ではわかりませんが、プラスとマイナス(TR1とTR2)の切り替えはスムーズに行くのでしょうか? 実は全然スムーズではなく、不感地帯みたいなものが存在します。クロスオーバー歪みと言います。現在ある増幅素子は非直線素子(入力と出力が比例しない つまり直線的に増幅しない)を使う欠点になります。これを無くすために無信号時に少しだけ、同時にTR1とTR2を動作させておいて不感地帯を無くすのが一般的で、 流さないのはB級動作と言いますが、実際にはB級でも少し流しています。これを、普段聞く出力分くらいは流したものをAB級動作と言います。AB級では巨大なヒートシンクが顔を出し、大量の熱を発生しますので直ぐにわかります。そしてもっと流し、最大出力まで流しているのがA級動作で無信号時に最大電力となり、全ての領域でTR1とTR2が動作しています。これがアンプの理想型です。巨大な放熱器から最大電力を放出し、今か今かと信号を待つ姿! あまりに巨大で効率が悪く高額となりますので市販品ではごくわずかな高級製品しかありませんが、自作派には、たまらない魅力となっています。 もちろん、理想追求、最高を求めるOJI SpecialのDAMPは全て純A級動作です。
少し前置きが長くなりましたが、なぜ詳しく説明したかというと、本来、とても重要なことなのですが、一般の方は見えませんしスペックにも現れないので見落としていますし、技術屋でもあまり知らない、アースの問題があるのです。前述の共通インピーダンスです。
 図で、左右のスピーカーを通った電流は、アンプ内部で必ずアースに流れ込みます。いくらアースラインを短くしても、0にはできません。だから問題となるのです。 実際にモノラルアンプを使うと音がよい、というのはこういう事も関係があるのです。モノラルアンプでは 他チャンネルのアースの影響を受けませんし、理想的です。(本当は 筐体からガードに流れる部分や電源、入力、などの問題もありますので全く干渉が無いわけではありません) 純A級でモノラル2台構成、実はこれでもまだ問題があります。それは、プラス側とマイナス側が全く同じではないと言うこととアースに流れる電流は入力部分に大きく影響すると言うことです。これを改善するのが、いわゆるBTL接続と言われる、アースを使わないドライブ方式です。
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