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定在波対策はグライコで代用できるか
アナログ時代からグラフィックイコライザー(グライコ)という便利な機械があって、周波数特性の凸凹なスピーカーでも、これを使えば平坦な特性にすることができると、大いに流行った事がありました。
グライコは簡単に言えば、可聴帯域を細かく分けて、その帯域だけの増幅度をプラスマイナス12デシベル程、任意に調整できる機械です。分割する帯域の幅が3分の1オクターブくらいの精度ならば、スピーカーの凸凹も略修正できることから用いられたものです。
ここまでは理屈としてもわかるのですが、スピーカーから何メートルか離れたリスニングポジションでの周波数特性も、同じ方法で調整できる、とする考え方が広がってそれを積極的に利用するメーカーや評論家まで現れています。
 本当にそうでしょうか?
自慢のオーディオ装置の周波数特性をリスニングポジションで測ってみると凸凹がすごく目立つのが普通です。無響室特性が全く平坦なスピーカーを使ってもそうなるのは、スピーカーから出た音がリスナーに届くまでに部屋の特性が重なるためなのです。
 リスニングポジションの周波数特性を平坦にしようとグライコを調整すれば、せっかくスピーカーから平坦に出ていた音を、わざわざ凸凹にしてしまうことにもなるのです。
 ではどうすればリスニングポジションでも、癖のない音を聴くことができるのでしょうか。
音響処理は音響的手段でやる
リスニングポジションの特性の凸凹は部屋のくせに起因するものですから、これだけを取り除くことが必要なのですが、グライコではこれが取り除くことは不可能です。つまり音響的不具合は音響的処理で改善するより方法がないのです。
 普通の四角い部屋では、天井と床、あるいは対抗する壁と壁などの間で反射が起こり、特定の場所で特定の周波数の濃淡が生じます。これが[定在波]で、これを無くす事は至難の業です。
 初めからこれが発生しない部屋を作ればいいのですが、普通は辛うじて確保した部屋で何とかしなければ・・・ということになります。消極的な方法としては、定在波の影響の出ない位置をリスニングポジションにすることですが、実際にはこれもかなり難しいでしょう。
私のリスニングは建後30年以上になる10.5畳の普通の部屋です。床は絨毯敷き、壁は吸音性のシート仕上げとしたために残響は0.15秒とひどくデッドです。おまけに40、60、80ヘルツに定在波があって、リスニングポジションで頭を50センチ程前後すると、低音のレベルが大きく変わる普通の部屋です。聴く位置でバランスが変わるのですが、音質自体が変わるわけではないので今日まで放置してきたのです。
昨年来定電圧電源を入れたりCDプレーヤーとコントロールアンプを変えたり、MFBの再調整をしたりしてシステムのクォリティー向上が実現してみると、放置してあった部屋のコンディションの悪さが気になってきました。
 そこでやったのがφ100ミリのボイド管を、定在波の波長に合わせて天井と壁とのコーナーに吊り下げました。周波数特性が変わるほどではありませんが、リスニングポジションでの低音のむらはほとんど感じなくなりました。大成功です。
 
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