Google AND OR  
TOPDigitalVillageサロン>No.30
ウィーンフォルクスオーパーのマルタをS席で聴きました
40年来の願望だったオペラ[マルタ]を、家内と一緒にようやく鑑賞することが出来ました。
フロトーの唯一ともいえるこのオペラが私たちは大好きで、LP初期に発売されたローテンベルガー盤は何度も再生したために音溝が擦り減ってしまい、二組目を中古で買い直した位です。
当然のことながらこのLPは我が家の基準ソースの一つになっており、ジャッジには家内も参加させています。
このオペラの日本人の公演はこれまでにもなかった訳ではありませんが、どうせ楽しむなら本物を・・・と欲張ったせいで、なんと40年近くの待ちとなったわけです。
どうせ楽しむなら最上の席で、という訳で、身分不相応なS席での鑑賞となりました。会場は上野文化会館、一階の前から19番目の少し右よりです。
これまでにもこのホールでオペラは何回か鑑賞しています。一昨年のフィレンツェ・オペラのファルスタッフは一階左の壁際でしたし、三十年程前には二階中央最前列でも夕鶴を聴いたことがあります。つまりこのホールのあちこちで音を聞いていることになります。
S席ではダイレクトに音が飛び込んできました
上野文化会館が出来たばかりのころには、このホールの音はモヤモヤしていて評判は良くありませんでした。その後何度かの改良で、今では都内でも有数の良い音のホールになっています。これまでの体験でも、このホールの音の変遷は確認できていましたが、今回の席の音は、これまで聴いた音の中ではホールの響きが少なめの一番明確な音でした。
私の好みの音はステージかぶりつきの音よりも、もう少し遠くの、豊かなホールトーンを伴う状態です。好みから言えば今回の席の音は私には少しきつめに感じられたのですが、家内の感想は「音がはっきりしているのに柔らかい」とご機嫌でした。オーディオシステムではほんの少しでも高域が強いと文句を言う人間がいますが、生ではこういう風に聞こえるらしいのです。もっともファルスタッフのときの柔らかい音も「良かった」といっていましたから、人の感想を簡単に信じてはいけないということでしょうか。
同じ音源同じ生音でも、同じホールでも聴く場所で音が違うことは当たり前の話で、そんなことは誰でもが知っていることです。オーディオシステムの音を考え出すと、その大事な条件を吹っ飛ばしてしまい勝ちなのはなぜでしょうか。
「生そっくりの音が目標」とはオーディオファイルのだれもが言うことですが、一人一人の頭の中で鳴っている「生の音」は一人一人違っているのです。不思議なこと・・・と言うか、幸か不幸か・・・というべきか、話をし出すとだれひとりこの前提を忘れてしまうところが、オーディオの難しく、またおもしろいところかもしれませんね。
 
page_top