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TOPDigitalVillageサロン>No.41
アナログ人気じわり
昨年秋以来、世の中破天荒の不景気風が吹きまくっていて、オーディオも今にも吹き飛ばされそうな気配ですが、そんな中でもアナログオーディオの人気が続いているのがせめてものなぐさめです。経済誌などでもCDの衰退を尻目に、ここ2〜3年は連続市場が拡大しているなどと伝えられるのをみて、「我が意を得たり」とうなずくアナログファンも少なくないでしょうし、著名なオーディオ誌でも、フォノアンプやカートリッジなどが盛んに取り上げているのは、こうした傾向を裏付ける現象に違いありません。
私もアナログ一辺倒ではありませんが、長い間ため込んだLPを捨てられず、CDと交互に、LPも愛用し続けている一人です。チョロチョロと燃えていたアナログの火を、勢いよく再燃させてくれたのは一昨年末に購入したマランツのコントロールアンプSC-11S1に内蔵されているフォノアンプであることは以前にこの欄でもご紹介しました。
こんな[リバイバル現象]が発生する原因は二つあります。一つは[ノスタルジア]、もう一つは[新技術の製品化]です。現在のアナログ回帰現象の大方の原因はノスタルジアでしょうが、私のアナログにこだわりつづける原因は、間違いなく新型フォノアンプの性能に出会ったためです。これによってカートリッジの評価が変わり、過去半世紀聞き続けてきたアナログの音に、革命的変化が起こってきたからです。
アナログ技術の変遷 (カートリッジ編)
LPの音溝に刻まれた凸凹を針先がたどり、ピックアップした微細な電気出力を、増幅すると同時にイコライズして平坦な電気出力に直すのが、カートリッジとフォノアンプの役割です。現在のアナログ再生の仕掛けとしては、カートリッジはMC型、フォノアンプにはNF型が定番となっており、この構成はLP誕生以来、今日まで殆ど変わっていません。SC-11S1のフォノアンプは、このNF型から脱皮して、CR型とし、それに全体域に一定量のNFをかけたものですが、従来の方式では不可能だった全体域に亘るS/Nとダイナミックレンジを実現している注目すべき製品です。
しかし、オーディオは最終的な音はスピーカーシステムで決まります。つまり理論的に裏付けられた高性能スピーカーによる再生が不可欠です。どんな優秀なコンポでも、ユーザーが自分の好きなスピーカーで聴いていなければ、正しい評価はできないのです。
高性能フォノアンプを使うと、カートリッジの評価がこれまでとは変わってくることはすぐに気づきました。MC型にもいろいろあるということです。約1年半の実験で大まかな分類ができたのを要約してみましょう。
@コイルの巻枠が磁性体のものと非磁性体のもの。
A針先とコイルの位置が近いか遠いか。
このほかにもカンチレバーやボディの材質とか、針先の形状などの違いもありますが、@Aに較べれば、その程度は無視できるといえる程小さいのです。
私の好きな音は非磁性体の巻枠で、針先に近いところにコイルがあるものですが、残念ながらこのタイプは殆ど市販されていません。@のタイプのカートリッジの代表は、サテンやビクターのMC-L1000です。Aのタイプはヤマハ・MC-1とかデノンのDL-S1、ベンツマイクロのルビーシリーズなどで、今でも手に入るものもあります。私は、サテン、ビクター、ヤマハ、などの他に、デノンのDL-1000等の現在は市販されていないものばかりを使っています。
この二つのタイプの音を大づかみにいえば、前者は鋭角的で骨太のリアルな音、後者はトレースがよく、しなやかで温もりを感じる音です。しかしこうした構造の特徴を再生するためのスピーカーシステムは、単に値段が高いだけではだめで、理論的にも突き詰められた性能がなくてはならないことはいうまでもありません。
現在市販されている新型カートリッジの殆どは、[オルトフォン型]といわれる磁性体巻枠(鉄心MC)で、コイルの位置は針先から最も遠いところにあるものが殆どです。ですからボディーの構造や材質、あるいはカンチレバーの形状や材質の違いの影響が出やすく、モデルごとに違った個性を聞かせてくれるので、それはそれでアナログオーディオの楽しみではあります。(つづく)
 
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