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アナログディスク・所謂LPレコードを再生するには、アナログレコードプレーヤーが必要です。レコードを一定の回転数で回すターンテーブルに、カートリッジを取り付けるトーンアーム、それとカートリッジが一体になったコンポです。レコードプレーヤーの他にフォノイクォラーザーアンプ(以下フォノアンプ)が必要になります。フォノアンプが必要な理由は二つあって、一つはカートリッジの出力が小さいのでこれを増幅するため、もう一つはLPの録音特性を平坦な周波数にするためです。フォノ・イクォラーザー・アンプの[イクォライザー]とは、この録音特性を平坦に戻す[等化機能]の意味なのです。
ところが、このフォノアンプには実に様々なものが売られていて、どれを選んだら良いか困ってしまうことになります。たとえば値段ひとつとってみても、安いものは数千円から、高価なものでは何百万円までその差はなんと1000倍くらい! もあるのですから、どれを選んで良いやら判断に困ってしまいます。懐具合に合わせて手頃な値段のものを選ぶのも一つの方法に違いありませんが、音の良いフォノアンプを選びたくなるのはマニアなら当然でしょう。
フォノアンプの増幅度(信号を大きくする倍率)はMM型用とMC型用とではその値が20デシベル(10倍)ほどの違いがあります。MC型の方が出力が小さいためにこのようになっていますから、手持ちのカートリッジがMM型かMC型かを、まず確かめておく必要があります。
プリメイン型のアンプでは、フォノアンプを内蔵しているものもありますが、MM専用の場合も多く、専用フォノアンプでもどちらか専用のものもあるから注意が必要です。MM、MC両方を使いたい人は、フォノアンプも両用のものか、MM用にMC用ステップアンプトランスを組み合わせて使うこともできます。
フォノアンプのイクォライザーは、RIAAカーブという録音特性を平坦に戻すための回路ですから、低音と高音とでは増幅度に大きな違いがあります。大まかに言えば低音は高音の100倍ほどの増幅度が必要なので、このために回路の方式は @NF型 ACR+NF型 BCR(LCR)型 など様々な方式が使われています。これらの他に、先に述べたマランツSC-7S1の回路は CCR+RIAA選択制NF型 という新方式で、最近発売された同社のプリメインアンプ・PM-11S2にも搭載されています。
回路が違えば音も違うのは当然ですが、メリット/デメリットとして一口に言えば @は安定性は良いが低域と高域で音色が違い、高域の伸びやかさが不足しやすい。 Aはダイナミックレンジが取りやすいが、高低の音色差が@より大きい。 Bは切れ味が良いがノイズとダイナミックレンジ確保が難しい といった傾向があります。 Cは音色が全周波数に渡って均一で、@からBのデメリットが殆どなく、高性能なスピーカーシステムを使えば、LPからこれまで聞いたことのなかった音を引き出してくれる可能性を持っている方式といえそうです。
私事ですが、このフォノアンプを使い始めた結果、これまで使ってきたカートリッジの評価の順位が大きく変わり、前回述べた空芯型MCからもはぎれのよい低音がきこえだしましたし、最新プレスとかで高音質をうたっているLPの音が、宣伝とは違って腑抜けの音であることなども聞こえてくるなどの変化が起こっています。
これらの仕掛けで、聞くLPの音は、SACDよりも繊細で滑らか、CDよりも骨太で実在感がある超ハイファイの世界が広がります。それもさんざんつかって音溝の擦り切れた筈のLPからなのですから、オーディオって不思議なものですね。
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